排卵誘発剤とがんの関係

1990年代、排卵誘発剤による不妊治療がメディアなどに注目を浴び始めたときに、排卵誘発剤はがんを引き起こすリスクを高めるといわれていました。

とりわけ子宮体がんや卵巣がんなどの女性特有のがんには、何らかの関連があるのではないかという見方で研究がなされました。中でも、1999年に不妊治療を行なった女性に対する調査結果を基にまとめられた論文が有名です。

調査によると、排卵誘発剤の投与を受けた女性は、そうでない女性より卵巣がん、乳がんなどにかかる可能性が高いことがわかりました。生涯にがんにかかる可能性は、不妊治療を受けていない女性と同じ割合ですが、排卵誘発剤の最終投与から1年以内に限ると、不妊治療を受けた女性の罹患割合が高かったのです。

研究者はこの結果について、科学的な根拠から1つの結論を出しました。それは、排卵誘発剤とがんには関連がないということです。

なぜかというと、まず最終投与から1年以上経過すると、がんの罹患割合はほとんど変わらないということです。また、現在も研究中ですが、乳がんや卵巣がんの原因は遺伝にもあるといわれているからです。

排卵誘発剤とがんに関連性があると風説が流れていた頃には、多くの人が排卵誘発剤での不妊治療に疑問を呈しており、現在でも副作用がひどいのではないかというイメージがあります。しかし、きちんと医師やパートナーと相談して、排卵誘発剤を使うことで様々な副作用のリスクを減らし、適切な不妊治療ができます。

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